前回は UTM を用いて M1 Mac や WoA の X64 Emulation 周りをベンチマークした。
今回は9月頭に買い切り版がリリースされた Parallels 18 をもちいて調べてみる。
['22/11/24] VMware Fusion 13 について追記。
Contents
Parallels Desktop
これまで macOS では Parallels Desktop の買切版を利用してきたが、
ちょうど毎夏のリリース前であったため、前回までは仮想マシンは UTM を用いた。
今回は9月頭に一般販売になった買切版を入手したので試してみる。
['22/11/24 追記] 先日リリースされた VMware Fusion 13 についても比較してみた。
セットアップ
- Host: M1 MacBook Air + macOS Monterey
- guest OS: Ubuntu Server 22.04 arm64 (+ lubuntu-desktop)
- 仮想マシンアプリケーション
- Parallels Desktop 18
- UTM (QEMU)
- VMware Fusion 13
- 仮想マシン
- CPU: 4 core
- Memory: 4GB
ベンチマーク
用いるベンチマークは Geekbench 5。
Lubuntu では 同 arm preview build を用いた。
数字は敢えてまるめてある。
Geekbench 5 | Single | Multi |
Lubuntu 22.04 on Parallels | 1715 | 6075 |
Lubuntu 22.04 on VMware Fusion 13 | 1700 | 5800 |
Lubuntu 22.04 on UTM | 1675 | 5600 |
参考 | ||
macOS Monterey on MBA M1 (host) | 1750 | 7600 (*8core) |
Windows 11 (WoA) on UTM | 1400 | 4600 |
結果など
Parallels Desktop
まずは Parallels Desktop 18 の結果から。
シングルスレッド性能は、ホストである macOS Monterey on M1 の 1750 に対して
Parallels 上の Lubuntu (arm64) では 1715 (98%) である。
さすがは老舗の商用アプリといったところか。
マルチ性能も割り当てコア数が少ないことを考えるとかなり健闘しているように思う。
UTM
これも前回の WoA を用いた検証から得た感触よりもかなり健闘していた。
シングルスレッド性能は、ホストである macOS Monterey on M1 の 1750 に対して
UTM 上の Lubuntu (arm64) では 1675 (96%) である。
対 Parallels 比でもシングル, マルチそれぞれ 97%, 92% である。
前回は主に WoA の x64 エミュレーションの性能が主目的だったので、
UTM x OS差 の組み合わさった性能を x0.8 として、その内訳には深く切り込まなかったが、
私の想像していたよりも OS差のウェイトが大きく、UTM 自身は優秀であったようだ。
VMware Fusion 13 (追記)
ちょうど Parallels と UTM の中間のような性能だった。
M1/ARM 環境では Ubuntu 等をインストールするにもひと工夫必要 だったりと、完成までもう一歩という感も。
OS差
前回の UTM 上の WoA での 1400 と比べると Lubuntu 22.04 on UTM の結果はかなり良い。
前述したように経験上 Windows は macOS, Linux と比較して 8-10% 程度性能が出ない傾向があったが、
今回の結果は Windows(11, WoA)/Lubuntu 比はシングル, マルチそれぞれ 84%, 82% である。